施工実績

腹起し用裏込コンクリート打設時の改善方法:特殊シートの使用と撤去方法の改善

2006.05.02

平成17年12月13日に開催された、全国建設業協会主催の「技術研究発表会」において、当社が施工する首都高速中央環状新宿線SJ52工区(2-2)トンネル工事における当改善方法が最優秀賞に選ばれました。

 

改善するに至った背景・従来方法での問題点

腹起し用裏込コンクリート打設は小さな工種ではありますが、大規模開削工事において、掘削・山留支保工設置の工程上、クリティカルとなる工種であると同時に下記のさまざまな問題点がありました。

 1.裏込コンクリート設置に際し、山留壁の凹凸により底型枠の設置が困難で時間を要する作業となります。また、型枠設置の施工精度によりコンクリートの流出も考えられました。
 2.裏込コンクリート撤去に際し、山留壁にコンクリートが付着すると、はつり作業が必要となり高所作業を強いられるため、転落の危険がありました。
 3.腹起し撤去時、コンクリート転倒の危険がありました。
 4.裏込コンクリート撤去時、コンクリートの落下等の危険がありました。

 


従来方法での問題点

 

工夫・改善の内容

これらの時間的・金銭的ロス及びさまざまな危険因子を排除するため、山留支保工設置から裏込めコンクリート打設完了までに通常作業以外に以下のような作業を行いました。

 1.特殊シートの配置
 2.コンクリート打設時には1mピッチで仕切り板を設置し、分離されたコンクリートに吊鉄筋を挿入
 3.吊鉄筋は山留壁芯材に溶接したナットと番線で緊結

 

 

   

施工後の効果

 1.山留支保工設置と同一作業でシートの設置までスムーズに行え工程が順調に推移しました。
 2.仕切り板によって分割されたコンクリートは、クレーンにて容易に撤去することができ、搬出まで安全に作業を進めることができました。

 3.撤去するコンクリートの小割り作業が無いため作業騒音を抑えることができ、近隣住民及び作業環境への影響が低減できました。

 4.特殊シートはコンクリートとの剥離性が良いため、産業廃棄物の分別も容易にできました。

 


撤去状況写真

撤去状況写真