環境

トキよ、再び佐渡の大空へはばたけ! 佐渡におけるトキの野生復帰実現に向けて

2007.04.20
トキよ、再び佐渡の大空へはばたけ! 佐渡におけるトキの野生復帰実現に向けて

当社は、環境省と新潟県が協力して行っている、トキの野生復帰に向けた順化訓練施設設置について、その施設の施工を担当することになりました。

この順化施設は環境省や新潟県が中心になって進められているトキ保護増殖事業の一環として建設されるもので、トキ保護センターで飼育されているトキが80羽となり個体数が着実に増えたことから、次のステップとして施設整備が進められることになりました。

 

順化施設では

佐渡におけるトキの野生復帰のため、飼育施設と管理施設を建設し、餌場、ねぐら、営巣木等の環境が整備され、飼育下のトキが自然状態で自立して生存できるよう、採餌、営巣、育離、繁殖、飛行、天敵回避等の訓練が行われます。

トキ野生順化施設 鳥瞰図(提供:新潟県)

 

施設の概要

敷地約20Ha内に訓練に必要な各施設を配置するとともに、周辺には放鳥後のトキが戻ってくることも想定し、湿地、営巣木、ねぐら木の整備等も行います。

順化ケージ

自然状態で餌を採る、集団で生活する、飛び回るといった能力を身につけるケージで、施設内の水は循環して再利用します。人の関与を薄めた自然流下の給餌を確保します。

繁殖ケージ

繁殖能力、育離能力を身につけるケージを8棟建設。相互に見えないように配置し一棟の広さは親鳥と2羽のヒナが自然下で生息できる面積を確保します。

収容ケージ

傷病個体を隔離して飼育管理するためのケージです。保温湿と野外室を移動しながら訓練へ復帰します。

管理棟

飼育管理に必要な監視、個体の治療、施設の保安等に関する拠点として施設全体を管理する建物です。

 

順化施設建設において

  1. 環境負荷低減の一環として、造成時に発生した伐採木はチップ化して法面や園路など現場内で再利用します。
  2. 建設資材は化学的なものは極力使用せず、天然素材の使用を心掛けています。

 

順化施設完成後の予定

順化ケージ建設が完了する平成18年度には一部の運用を開始し、早ければ平成20年度に試験放鳥が行われることになっています。この試験放鳥開始までに国、県および市が連携し小佐渡東部において餌場、ねぐら等の生息環境が整備されていきます。環境省のトキ野生復帰環境再生ビジョンでは、2015年頃に小佐渡東部に60羽のトキを定着させる計画になっています。

 

順化施設完成


トキ野生順化施設完成 (航空写真)