ダイバーシティ推進

◆ダイバーシティ推進の目的および方針
―多様な人材が活躍する、しなやかで強い組織へ―
大豊建設は、「地域社会から真に信頼される良い会社であること、社員にとって夢のある会社であり続けること」を経営理念に掲げ、変化の激しい事業環境にも柔軟かつ迅速に対応できる企業を目指しています。2023年度にスタートした中期経営計画においては「人的資本経営の強化」と「事業構造の変革」を経営戦略の柱とし、その実現に向けて企業が持続的に発展するためには、多様な知識・経験を持つ人材が活躍できる環境の整備が不可欠であると考えています。
2024年度には「ダイバーシティ推進準備委員会」を立ち上げ、社員の声、とくに現場で活躍する女性技術者の声をもとに、より働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
生理休暇制度の見直しや、建設現場の設備・動線への配慮、他社との意見交換を通じた知見の共有など、小さな気づきを大切にしながら、ひとつひとつ丁寧に課題の改善を進めています。
建設現場には日々新たな課題がありますが、多様な視点が加わることで、柔軟で強い組織が育つと私たちは信じています。今後も制度・環境・意識の三つの側面から改革を進めながら、社員一人ひとりの声に耳を傾け、誰もがいきいきと働ける、温かく風通しの良い職場を目指して歩みを続けてまいります。
◆ダイバーシティを推進する上での課題
大豊建設では、これまでに実施された各種サーベイや社員懇談、ヒアリングなどを通じて、多様な人材が活躍できる職場づくりに向けた取り組みを進めてきました。
その中で見えてきたのは、従来の制度や考え方、働き方の前提に、まだ十分に多様性が組み込まれていないという課題です。
とくに、次の4つの視点について、今後の取り組みの重点ポイントとして抽出しています。
・「多様な人と協力して働く」という意識の浸透
― 社員一人ひとりが互いの違いを認め合い、自然に協力できる風土を育むこと。
・多様な人材の採用・育成・配置の工夫
― 経験や価値観の異なる人材を公正に受け入れ、成長と活躍の機会を広げていくこと。
・誰もが力を発揮しやすい職場環境の整備
― 日々の業務や現場において、働きやすさや安心感を感じられる仕組みづくり。
・知見や経験の共有と標準化
― 組織の中にある学びや気づきを広く活かし、次の人へとつないでいく工夫。
こうした気づきは、社員の声や現場のリアルな課題から生まれたものです。
これからも一つひとつの課題と丁寧に向き合いながら、多様な人が共に学び、支え合える組織を目指してまいります。
◆ダイバーシティ推進に関わる取組み体制
ダイバーシティ推進に関わる事案について、他のサステナビリティ事案と同様に「サステナビリティ委員会」で審議・意思決定され、経営事案は経営会議に上申されます。
具体的には、「ダイバーシティ推進委員会」にて情報共有や意見交換を行い、そこで得られた課題や提案を整理したうえで、サステナビリティ委員会に対して施策案として提言・報告する仕組みとなっています。
ダイバーシティ推進委員会は、社員有志によって構成されており、2024年度より自発的な取組をスタートしました。2025年度からは正式に活動を開始し、社員の声をもとにした職場づくりを進めています。
この取組みは、現場からの課題や意見をすくい上げ、社員自身が主体的に解決に関わる機会を持つことにより、社員の自立と自律を後押しすることを意図しています。

◆ダイバーシティ推進委員会の活動状況
【沿 革】
2024 年 6 月:社員有志によるダイバーシティ推進活動を自主的に開始
9 月:生理休暇に関する意識調査を申請者側・承認者側の立場から実施・社内報告
11 月:女性技術者研修において意見交換会を開催
2025 年 1 月:ダイバーシティ推進に関する取組を社内報に掲載
1 月:ダイバーシティ推進に関する取組を社内提案
3 月:女性社員による「けんせつ小町パトロール」を実施
4 月:上記取組みの社内認知を受け、ダイバーシティ推進委員会が発足
【ビジョン】
当社は、女性をはじめとする多様な人材が長く安心して働ける職場を目指し、制度面・環境面・意識面で総合的にダイバーシティ推進します。継続的な改善と対話を重ねることで、誰もが活躍できる「選ばれる企業」を実現していきます。
【タスク】
・現場視点の課題解決
実際に働く社員の声をもとに、課題や現場環境の改善ニーズを洗い出し、アンケート調査や意見交換会を通じて具体的な対策を検討します。
・社外連携による学び
他社との意見交換や合同パトロール(例:けんせつ小町パトロール)を通じて、業界全体の課題や先進事例を共有。連携を深めながら自社の施策にも活かします。
・理解の深化とコミュニケーションの促進
全従業員を対象とした各階層別の研修を実施、組織全体のダイバーシティに対する理解促進を図ります。また、社内報や社内SNSなどを活用し、積極的な情報発信を行います。
◆キャリア形成
大豊建設では、ダイバーシティ推進の柱として、女性社員のキャリア形成支援に積極的に取組んでいます。
建設業界においても、女性が安心して働き、力を発揮し続けられる環境を整えることは、持続可能な組織づくりに欠かせません。
当社では、技術系・事務系を問わず、女性社員が自身のライフステージに応じながら、長期的にキャリアを築けるよう諸制度の整備を進めています。また、社内全体の意識変革にも力を入れており、管理職や経営層向けの研修を通じて組織全体で女性の活躍を支える風土づくりを進めています。
一人ひとりが将来像を描き、主体的にキャリアを選びとれること。
それが、誰もが自分らしく働ける職場づくりにつながり、わが社の未来を切り拓く原動力になると私たちは考えています。
◆仕事と家庭の両立を支える取組み
【主な支援制度】

~男性社員の育児休暇取得にも積極的に取組んでいます~
大豊建設では、すべての社員がライフステージに応じて安心して働ける環境を目指し、育児休暇の取得促進に取り組んでいます。なかでも、これまで取得機会の少なかった男性社員による育児休暇の活用を積極的に後押ししています。
育児への主体的な参加は、家庭の充実だけでなく、社員一人ひとりの成長にもつながると考えています。取得しやすい職場づくりのため、制度の案内や周囲の理解促進にも力を入れています。
2024年度には、男性社員17名が育児休暇を取得しました(取得率68.0%)。今後も社員の声に耳を傾けながら、より柔軟で多様な働き方が選択できるよう、制度と環境の整備を進めてまいります。
◆シニア人材の活躍推進
当社は、ダイバーシティの取組みの一環として、シニア人材の活用を推進しています。
現場で培われた熟練の技術や判断力、そして管理・事務部門で蓄積された業務知識やマネジメント経験は、いずれも会社の大きな財産です。
こうした貴重な知見を次世代へつなげ、より強固な組織を築いていくため、2025年度より定年を65歳へ引き上げました。
意欲と能力のある方が、ライフスタイルに応じて引き続き活躍できるよう、多様な働き方や役割を柔軟に設計しています。
今後も大豊建設は、年齢や職種にとらわれることなく、すべての社員が力を発揮し続けられる環境づくりを進めてまいります。
世代を超えて知恵と力をつなぐことこそが、私たちの持続可能な成長と価値創造の源泉です。






























