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無くならないもの、
無くてはならないもの

建築とは、ビルや住宅など、私たちの生活になくてはならない建物を建てることです。仕事には、顧客のニーズをくみ取った設計、確実に完成へと導く施工ノウハウが求められます。

その中で、ゼネコンの業務の根幹をなすのが「施工管理」。「建築施工」では、特に安全・環境を柱に、適正な品質、コスト、工期の中で、顧客が満足する建物を構築しています。そのため施工前の計画では、あらゆる角度からシミュレーションを行い、もっとも効率的な工事の手順を検討しなければなりません。規模の大きな現場となれば、数百人単位の作業員を統括しなければならないため、リーダーシップ能力が要求されます。

ゼネコンの業務が“施工”ではなく、“施工管理”と呼ばれるのは、実際の作業はさまざまな専門工事会社(鳶、鉄筋、大工、左官 etc.)が施工を行い、ゼネコンは全体のマネジメント機能を担うためです。

建築工事は、毎回新たな生産プロセスを必要とする上に、屋外での作業。天候による影響を受けやすく、着工後の施工管理はとても重要です。常にPDCA(計画、実行、点検、改善)を回しながら日々の業務を行っています。

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顧客のニーズをくみ取って図面化し、顧客およびプロジェクトのメンバー全員に対して、そのイメージを明確に伝えるのが「建築設計」の仕事です。機能、品質、コストを満たした上で、創造力豊かなデザインと機能性を両立させます。

「建築設計」は、意匠(デザイン)設計、構造設計、設備設計、監理の4つに分けられ、それぞれの専門家が連携をとりながら進められます。中でも複雑化が進む設備設計は特に重要。オフィスのIT化や竣工後のライフサイクルコスト、環境対策などについて、建物の用途、立地条件、または法的制約に合わせた設備機能を導入することが求められます。

着工後の工事管理を行い、設計図に沿った施工が進められているかチェックするのも、設計者の大切な仕事。ゼネコンの設計施工一括工事では、自社の技術力、施工ノウハウを最大限に発揮できるため、品質、コスト、工程に関する顧客要求満足度を高めることに繋がります。

建築はチームビルディングからはじまる
(大島英祐、東京建築支店、平成26年入社(2014))

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小さい頃、建築やリフォームのテレビ番組が好きで、そのころから建築の仕事がしたいと思うようになりました。そして中学卒業後の進路を選ぶときに、工業高校の建築科に進学することを決めました。建築科では製図や施行、計画法規などを勉強して大豊建設に入社。2014年に入社して、マンションの現場を4つ経験して、その後倉庫の現場を経て現在の物流倉庫の現場に至ります。

いまの現場ではS造(=鉄骨で柱・梁を建て込み、床はデッキを敷きコンクリートを流し込む)で躯体を作っているのですが、前の現場ではPC工法(=あらかじめ工場で部材を製造後、現場へ運んで組み立てる)で躯体をつくりました。同じ躯体を組むという作業でも、工種や進め方が違うので日々学びがあります。今の現場で初めて経験することが多々ありました。

肉体的に大変な作業や高所の確認作業、さまざまな業種の方との調整など、苦労することはあります。ただ、それにも勝るやりがいや達成感を味わえるのが建築の仕事の魅力だと思います。今の現場は着工段階から関わっているのですが、そこから1年半の期間をかけて大きな建物を完成させました。更地の状態を知っているからこそ、出来上がった時の感動も大きかったです。

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この仕事で大切にしていることは、人とのコミュニケーション、人とのつながりです。私は現場監督としては指示を出す立場ですが、職人さんは年上の方が多く、人生の先輩ばかりなので、人と人とのコミュニケーションを取りながら仲を深めています。もちろん仕事の面でもお互いのやりやすさにも繋がるので、そうした関係性は非常に重要です。

今後はさらに高いレベルの資格にも挑戦していきたいです。以前、二級建築士の資格は取ったのですが、次は一級建築士や一級管理施工技士の資格を取得したいと考えています。所長になる為に必要な資格ですし、また現場の人に聞かれた質問にも答えられる知識も身につきます。まだまだ分からないことも多いので、より責任を持って仕事の幅を広げていきたいです。

衣食住って今後もなくならないものですし、なくてはならないもの。それが建築の仕事だと考えています。最近は仕事でもロボットを活用するシーンが増えていますが、私の現場監督という仕事は人との繋がりを大切にする仕事です。ロボットでは代替できない職業であり、人じゃないとできない仕事。だからこそ、この仕事が好きです。

暮らしの中心と地域のシンボルを
つくるということ
(森下純一、東京建築支店、平成20年入社(2008))

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入社して以来、ずっと施工管理をしています。これまでマンションを8棟、事務所ビルや自衛隊の宿舎などを建ててきました。10年以上この仕事をしていますが手掛けた建物も10件程度で、ひとつひとつのプロジェクトに長い時間をかかるのがこの仕事の特徴です。

現在は、地上に商業施設を併設する16階建てのマンションを建設中です。その中でも、私が担当している施工管理、現場監督の仕事は、職人さんと施主、設計とのパイプのような役割。建築の計画や各種調整、現場の工事が始まったら進行管理などを行ないます。

いまの現場では約2年間かけて、躯体工事、マンションの骨組みになる部分を作っています。この物件は地下2階まであるので、約10m掘り進めていき、そこから床面に上がってくるまで1年くらいかかります。そこから16階まで作っていきます。私が現場に入ったのは、基礎入れ、つまり鉄筋屋さんが建物のベースになる部分を組み立てるときです。仕事内容は施工図のチェック、業者さんとの打ち合わせ、建物が出来上がっていく段階につれて、その先を見据えた計画を所長と相談しながら決めていきました。

今回のマンションは地上に商業施設も入居されるのですが、複合的なマンションに携わるのは初めてで、この歳になっても学びがあり勉強の日々です。通常のマンションだと階高が3mくらいなのですが、商業施設が入るフロアは4m以上必要だったりします。あとはダクトなどの配管関係の設計が複雑になるので調整などが難しくなります。ただ、現在の所長はそうした現場の経験もあるので、知識を借りて相談しながら業務を進めていきます。

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私がこの仕事を、先輩から「いま私たちがつくっているマンションを自分たちが買うことはないかも知れないけれど、お客様にとっては人生で1番高いお金を出して買うもの。だからこそ自分が買うくらいの気持ちでマンションをつくったほうがいい」とアドバイスをいただきました。本当にその通りだと思い、いまでも忘れず仕事と向き合っています。

この仕事は一人では絶対にできない仕事だからこそ、チームで働くという意識が大切になります。ひとつのチームとして建物を作る、だからこそさまざまな関係者を含め、コミュニケーションを大事にしています。最近は部下も増えてきたので、若い子が早く帰れるように声をかけたり、彼ら彼女らの意見を聞いて、マイナスなことがあればどんどん改善していきます。

建物が出来上がったとき、近隣の住民の方から「ついに完成したね!」「いい建物だね!」と声をかけていただけることがあります。その瞬間、改めて喜びが溢れますね。現場の工程表や図面を作り、その計画どおりに現場が進むと嬉しいし、自分の担当した作業が良い出来栄えだと何度も見に行ったりしちゃいます(笑)。建築とは、その地域のシンボルのような存在をつくることでもあるので、これからも自分の仕事に責任を持って取り組んでいきたいです。